「所作 cp2.5」長期使用レビュー。キャッシュレス時代に使いたい、新時代の”所作”
所作、約8年振りとなる新作の財布「所作 cp」シリーズ、「cp 2.5」「cp 3.5」が2020年11月7日から直営店舗及び公式オンラインショップで販売開始されました。
今回は小さい方のモデル「cp 2.5」をクラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で行われた先行販売で一足先に入手し使い始めてから約1年が経過したので、実際に長期間使って感じた正直な感想や経年変化についてレビューしていきます。
購入直後のファーストインプレッションを別記事で紹介していますのでそちらも合わせてご覧いただければと思います。
所作について
ライダースジャケットやテーラードジャケットといった革製品をメインに取り扱っている「No!No!Yes!」というメーカーの財布や鞄のブランドが「所作(しょさ)」です。
結婚式でのご祝儀やお葬式でのお香典等を包む袱紗(ふくさ)がモチーフになっており、ブランド名の「所作」(=振る舞い、しぐさの意)も相まって日本らしさの詰まったブランド、プロダクトです。
恐らく一番人気があるのが「ロングウォレット」という長財布のモデルです。Instagramや街中でも目にする機会が多いように感じるので、名前は知らないけど見たことはあるという方も少なくないのではないでしょうか。
他にもロングウォレットの幅を狭めてコンパクトにした「ショートウォレット 1.0」や、名刺入れに最適な「カードケース」、加えて財布だけでなく「クラッチバッグ」、「ショルダーポーチ」といったバッグもラインナップされているのですが、全てのモデルに共通してるのが一枚革で作られていて縫い目がないということ。
あの東京スカイツリーにも使用されているハードロック工業の『ハードロックナット』ボルト1つで止められているモデルや、一枚革を折りたたんで財布にしているモデル等々、その構造が中々見かけない特殊な点も特徴的です。
私自身も最初にロングウォレットを購入して以来、そのコンセプトや使い勝手に魅了されて他のモデルを購入したり知人にプレゼントしたり勧めたりしている、好きなブランドの一つです。
他の「所作」との比較
そんな所作から新たにリリースされたのが「cp 2.5」「cp 3.5」の2点です。どちらも基本的な構造は共通で異なるのはサイズです。
cp 2.5とcp 3.5
所作cp 2.5 | 所作cp 3.5 | |
---|---|---|
横幅 | 9.6cm | |
高さ | 7cm | 9cm |
厚さ | 1cm | |
コイン | 15枚 | |
カードポケット | 3つ | 4つ |
お札 | 10枚 |
従来の所作シリーズからの仕様ですが、カードポケットが革に切れ込みを入れただけというシンプルな構造なので1つのカードポケットに複数枚カードを入れて使用する事が可能です。例えば「cp 2.5」の場合、カードポケットは3つですが1つのポケットに2枚ずつ収納することで計6枚を持ち運ぶことが可能。
ただし革製品の特性上複数枚カードを入れた上で使っていると革が伸びてくるので、その状態で枚数を減らすとカードポケットが緩くなっていて抜け落ちやすいので注意が必要です。勿論一時的に入れるのであれば問題ありませんが、常用するのであれば日常的に持ち歩く枚数を考えた上で使い始めるのがベスト。
cp 2.5とコインケース
所作cp 2.5 | コインケース | |
---|---|---|
横幅 | 9.6cm | 12cm |
高さ | 7cm | |
厚さ | 1cm | 1.8cm |
コイン | 15枚 | 不明 |
カードポケット | 3つ | 3つ |
お札 | 10枚 | 不明 |
続いて「cp 2.5」と「コインケース」での比較です。サイズ感・収納能力共に大体同じなので買い替えを考えている方も多いようなイメージがあります。「cp 2.5」の方が横幅、厚さ共にコンパクトになっています。短辺は両方とも同じですね。
「コインケース」のコイン・お札の収納枚数に関して記載されているページが見つからなかった為不明としていますが、私が使用している感覚としてはコインは10枚程、お札に関しては半分の5枚程度かと思います。
なお、この2つに関しては私も買い換えるのつもりで購入したので後ほど写真を交えて比較していきます。
cp3.5とショートウォレット2.0
cp 3.5 | ショートウォレット2.0 | |
---|---|---|
横幅 | 9.6cm | 10cm |
高さ | 9cm | 12cm |
厚さ | 1cm | 2cm |
コイン | 15枚 | 不明 |
カードポケット | 4つ | 4つ |
お札 | 10枚 | 不明 |
最後にこちらも買い替えを検討している人が居るであろう「cp 3.5」と「ショートウォレット2.0」との比較です。こちらも収納量は恐らく殆ど変わらず、新作の方が小さく・薄くなっています。
所作 cp 2.5の構造・経年変化
こちらが所作 cp 2.5。
クラウドファンディング時に展開されていた「ブラック 0%」「ビター 25%」「マイルド 50%」という3色の内、私が購入したのはもっとも明るく茶色い「マイルド 50%」というカラーです。
日常的にパンツのポケットに入れて持ち歩いていたので、中に入れているカードの後がくっきりと出ていたり、傷が付いていたりとあまり綺麗な経年変化とは言えないですが個人的には自分だけの財布に育ってきていて愛着が湧いています。
購入直後はマットな質感でしたが、使い込んでいく内に色が濃くなると共に光沢が出てきました。
上の写真のように、親指を斜め下にスライドさせることでフラップを開く事が出来ます。また、閉じる際も逆の動作で差し込む事が出来るので、最終的に手がいいねの形になります。
広げてみると普段内側になっている部分との経年変化の程度の違いがわかりやすいです。
それでは実際に中にお金やカード等を入れた状態で確認していきます。普段持ち歩いている中身が以下の通り。
- クレジットカード
- 運転免許証
- 交通系ICカード
- お札(3枚)
- 小銭(10枚)
一枚目のフラップを開くとメインのカード・お札を収納する部分にアクセスできます。革を縫うのではなく一枚革を折り込んで組み立てられているので、編み込み部分が見えていてデザイン的にアクセントになっています。
カードポケットは表側に2つ、裏側のお札ポケット部分に1つの計3つ。
コンパクトな財布ですが、お札は折りたたまずに普通の二つ折り財布のように収納出来ます。
三つ折り財布に近い形なのでお札に多少折り目が付いてしまうものの、軽く手で広げれば癖が取れるので自販機等でも問題なく使えます。小さすぎる財布だとお札を折りたたむ必要があるので、こういう時にその折り目のせいでお札が入っていかなくて不便なんですよね。
二枚目のフラップを開くとコインポケットがあります。両端を軽く握るとがま口財布のような形になって中の小銭が見やすくなりますね。
「コインケース」と比べてみる
「所作 コインケース」約1年使用レビュー。経年変化と感想など
上でも書いた通り私はサブの財布としてこの「所作cp 2.5」を購入しました。
というのも「コインケース」をサブ財布として使用していたもののお札の収納しづかったり、パンツのポケットに入れて持ち運んでいる故にフタ部分のフラップに変な折れ目や癖が付いてしまったりといった不満がありました。
そんな中、新たに発売された「cp 2.5」では改善されていたのでそれと置き換えて使うつもりで購入した次第です。
横に並べるとサイズ感が分かりやすいと思いますが長辺はcp 2.5の方が小さいので、より握った時の収まりが良いです。
「コインケース」「cp 2.5」共に上で書いたのと同じカード枚数、お札、コインを入れている状態ですが、厚みは殆ど変わりません。
開いた状態で並べるとこんな感じです。開いても中に入れているカードの券面が見えないのはカードケースの気に入っていた点の一つなので少し残念ですが、お札の収納がしやすくなったのはかなり利便性が向上しました。
1年使用してみて感じた事
良い意味で思っていたより”小さい”
今回の販売の形式上、実物を確認することなく購入したのですが数値で見て想像していたよりも小さいというのが最初に手にとって感じた事です。丁度手のひらに収まるサイズ感で、ポケットから取り出す時、改札機にかざす時等々、手に持った時にその小ささを改めて実感します。
勿論しばらく使っていればその小ささにも慣れてきますが、ふとキーケースを持った後にこの財布を手にしたり、帰宅後ポケットから取り出す時にすっぽりと手に収まりぎゅっと握る感じが気持ちよく心地よく感じます。
つい意味もなく手にしたくなる、そんなサイズ感です。
蓋はしっかり引っかかる
手元に来るまで不安だったのが差し込んでいるだけの蓋。メイン部分とコインポケット部分の2枚を同じ所に差し込むという構造故に使い込んでいくと革が伸びてきて緩くなってしまうのでは無いかと思っていたのですが、思っていたよりも奥まで差し込むようになっているので革が伸びてもすぐに抜けてしまうということはなさそうです。
実際1年使用した時点で緩んできている感じは一切無く、鞄の中で勝手に開いていると言うことも一度も無かったので安心して良さそうです。
丁度良いサイズで一覧性の高いコインポケット
薄さや小ささに特化した財布というと小銭が数枚しか入らないものや、理論的には必要十分な15枚が綺麗に並べるとぴったり収まるもの等、あくまでもキャッシュレス決済がメインの人向けの財布という印象を受けます。とはいえまだまだ小銭が必要なシーンもあったり、レジが混雑していて後ろに人がいる場面や単純に毎回上手く小銭を使うのが面倒な瞬間もありますよね。
この「所作cp 2.5」に関してはコインポケットは狭いものの横の部分を押すと広がってくれるので中身はかなり見やすいです。収納能力に関してはスペック上は999円が収納可能な15枚となっているものの、綺麗に並べてギリギリ15枚というわけではなく多少雑に入れても20枚ほどは入るので小銭を貯めてしまいがちという方にも安心かと思います。
裏面が汚れやすい
財布の内側である黒い部分ですが、かなり傷が付きやすく、その色故に汚れが目立ちやすい印象を受けました。普段は目に付きにくいので気にならないといえばそうなのですがこれは少し想定外でした。
フラップ部分は特に目立つ線状の跡が付いているので、人によっては結構気になりそうです。
刻印位置の変更
財布内部にブランド名の刻印が入っているのですが、執筆時点で公式オンラインサイトに掲載されている商品画像を見ると刻印の位置が変わっていました。
リリース以降日々アップデートされているらしく、いつ頃作られたものか判別出来るそうです。個人的にはこういった初期ロットのみの要素を持っているみたいな製品のは結構好きだったりしますね。
キャッシュレス時代に合わせて進化した「所作」
実際に丸1年程使ってきましたが機能面での不満はないどころか寧ろ購入時点で予想していた以上に使い勝手が良く、メインで使っていきたいと思える財布でした。絶妙なサイズ間と形で良い意味で無駄に手に取りたくなる、触りたくなってしまうんですよね。毎日持ち歩く財布というアイテムにはぴったりです。
サブ財布として使用していた「コインケース」の身軽さ・機能性をそのままに、個人的に機能面で不満に感じていた点が解消されよりコンパクトになったこの「cp 2.5」はサブ財布としては勿論、コインポケットの大きさやカードの収納枚数等を考えるとキャッシュレス決済がメインでない人でも持ち運ぶカードさえ厳選すればメイン財布として必要十分な収納能力を持っているかと思います。
実際に手軽に出歩きたい夏場はこの所作cp 2.5とスマホだけ持って外出すると言う日もありました。
多種多様な決済手段が存在している今日、それらを上手く使いこなした上で財布の中身を厳選し、必要最低限の現金とカード類を身軽に持ち歩いて行きたいものです。