Anker「PowerPort Atom III Slim」レビュー。薄くて小さい、持ち歩き用にぴったりなUSB充電器
「小さいは正義」と良く言いますが、持ち運ぶ物に関しては「薄いも正義」なんです。
先日、M1チップを搭載したMacbook Airを購入したのですが、MacBook Airの充電はUSB Type-Cを搭載した充電器とUSB Type-C to USB Type-Cのケーブルを使用して行います。
ただ、身の回りの充電機器関係、特に外出先で使用する物が昔からあるUSB端子、USB Type-Aを搭載した充電器しか手元にない状態でした。一応MacBook Airにも付属品として同梱されてはいるものの、サイズが大きすぎて持ち歩く気にならないんですよね。
というわけで、持ち運び用の充電器を探していた時に見つけたのが今回紹介する「PowerPort Atom III Slim」というモデルです。
「Nano Ⅱ」シリーズではなく約2年前の製品を選んだ理由
今USB Type-Cの端子を搭載したUSB急速充電器の購入を検討するとまず候補に上がるのがAnkerの「Nano Ⅱ」シリーズではないでしょうか。充電器界のゲームチェンジャーというべきか、私は初めて見た時はその小ささに衝撃を受けました。
私も最初はこれは流石にNano Ⅱシリーズ一択だろうと思い、45Wのモデルを検討していました。まず現時点で発売されているのは3モデルで比較したのが以下の表です。
Nano Ⅱ 30W |
Nano Ⅱ 45W |
Nano Ⅱ 65W |
|
---|---|---|---|
出力 | 30W | 45W | 65W |
サイズ(W×H×D)38×32×30mm |
35×38×41mm |
44×42×36mm |
|
重さ | 約47g | 約68g | 約112g |
プラグ格納 | ☓ | ○ | ○ |
価格(執筆時点) | 2,990円 | 3,390円 | 3,990円 |
AC式のUSB充電器の選び方に関してですが、使用する機器に必要な出力容量を満たしている物を選ぶのが基本的な考え方です。但し「大は小を兼ねる」ということわざもある通り、30Wが必要な機器で45W,60W出力のモデルを使用しても問題はありません。
私の場合、M1チップを搭載したMacBook Airが手持ちの機器で最も大きい入力が必要なデバイスです。本体付属の純正アダプタは30Wなのでそれに合わせると30W、一応最大45Wの入力に対応しているので45Wがベストで。大は小を兼ねるで65Wを選ぶのもありです。
ここで重要となってくるのがコンセントプラグを折り畳めるか否かという点。持ち運ぶということを考えるとポーチやバッグの中に入れる際にプラグは折り畳めたほうが良いですよね。Nano Ⅱシリーズでプラグが折り畳めるのは30W以外の2モデルなので、消去法で45W or 60Wに絞られます。
次に価格差を見ると45Wと60Wのモデルでは600円しか変わりません。となると60Wを選んだ方がコスパが良いようにも感じます。ただし、出力容量が増えるのに比例して大きさと重さも同じように増えていくわけです。
ここで改めて大きさを見比べてみると一番コンパクトな30Wのモデルでも約3cm程の厚みがあるんですよね。勿論、最近良く聞く窒化ガリウム”GaN”を採用したUSB充電器なので従来のシリコン半導体を使用していた物と比べれば十分コンパクトではあるのですが、マチのないポーチに入れると少し膨れて不格好になってしまう厚みなんですよね。60Wのモデルともなると厚みは4cmになってしまいます。
ここで少し視点を変えて、もっと薄いモデルはないのかと調べていた時に出てきたのが今回紹介する「PowerPort Atom III Slim」でした。
「PowerPort Atom III Slim」レビュー
スペック
製品名 | Anker PowerPort Atom III Slim |
---|---|
入力 | 100-240V〜 1.2A 50-60Hz |
出力 |
5V=2.4A 9V=3A 15V=2A 20V=1.5A |
サイズ | 約76×45×16mm |
重さ | 約57g |
カラーリング | ブラック/ホワイト |
PowerPort Atom III Slimは薄さ僅か1.6cmの30W出力に対応した薄型USB急速充電器。USB Type-C端子を使用したUSB PD充電器は従来のUSB端子を使用した充電よりも高速に充電することが可能です。
接続する機器等の組み合わせにも依りますが、例えばiPhone XSであれば30分で約50%まで充電することが可能だそうです。充電し忘れて朝を迎えてしまったり、出先のカフェで数十分だけ充電したりなんて場面で役立ちますね。
同梱物は各種印刷物のみ。ネットショッピングでよくある、数値では大凡のサイズ感を把握していたものの実物を見てみると思ったより大きい・小さい問題ですが、PowerPort Atom III Slimは思っていたよりも小さいという印象を受けました。
カラーリングはホワイト/ブラックの2色展開で、今回はホワイトを購入しました。筐体は光沢感は無くつや消し。LEDと「ANKER」のロゴがある上面のみメッシュ加工が施されていてアクセントになっています。
底面部分には折りたたみ式の90度曲がるコンセント端子がある他、各種印刷がされています。
USB Type-C端子は側面にあります。その横にはAnker独自の充電規格「PowerIQ 3.0」のロゴが印刷されています。PowerIQ 3.0は最大100W出力に対応していて、USB PD、Qualcomm Quick Charge等の充電規格と互換性があり、各規格に対応しているデバイスを急速充電することができます。
クレジットカードサイズの交通系ICカードと並べてみるとその小ささが伝わりやすいのではないでしょうか。
マチのない薄いポーチでも膨んで不格好にならずスタイリッシュに持ち運べます。
本体のLEDはデバイスとの接続の有無、充電状況問わず通電中は常時点灯する仕様です。暗い所では結構目立つので寝室で使う場合は気になってしまうかもしれません。
上の写真は一般的な2つの端子が縦に並んだ壁コンセントですが、薄く小さいとはいえ見ての通り筐体が縦に長いので他の端子と干渉してしまう場合があります。カフェのカウンター席等では隣の席と共有するケースもあるので場所によっては使えないかもしれませんね。
まとめ
私が探した限りでは薄さに特化したモデルは殆ど他に選択肢が無いと言っても良い状態です。確かにとにかく面積の小さいコンパクトなモデルの見た目のインパクトは凄まじいものがありますが、薄さに力を入れているものも持ち運び用という観点から見ると魅力的だったりするんですよね。デスク周りや身の回りのガジェットを白で統一している人にはホワイトがラインナップされているのも嬉しい所です。
LEDが少し眩しい点や90度しか動かないコンセントプラグなどの不満点はあるものの、携帯性の高さは唯一無二。発売から時間も経っているようなので、そういった点が改善された後継機となるモデルが発売される事を期待しています。