iPhone 12 miniとの相性が抜群。Belkin「BOOST↑CHARGE Magnetic Wierless Power Bank」レビュー
iPhone 12シリーズから搭載されたワイヤレス充電規格「MagsSafe」対応を謳っているモバイルバッテリーはいくつか存在しますが、その中からBelkinのMagSafe互換モバイルバッテリー「BOOST↑CHARGE Magnetic Wierless Power Bank」を購入してみました。
結論から言えば、一見モバイルバッテリーとして見るとコスパの悪さが目立つものの、iPhone 12 mini/13 miniを使っていてワイヤレス充電・USB-C端子搭載に魅力を感じる人にはおすすめの一品です。今回はiPhone 12 miniと組み合わせて実際に数週間使ってみたのでレビューしていきます。
開封・外観チェック
Belkinらしい緑と白のパッケージです。
「BOOST↑CHARGE Magnetic Wierless Power Bank」と記載されていますが、日本国内では「BOOST↑CHARGE MagSafe対応 磁気ワイヤレスモバイルバッテリー」という商品名で販売されているようです。カラーはブラックとホワイトの2色展開で、今回はパッケージにも印刷されているホワイトのモデルを購入しました。
「MagSafe Compatible」と書かれていますが「Compatible=互換性のある」といった意味なので、あくまでもMagsafeに対応しているわけではなく互換性のあるワイヤレス充電規格(Qi)に対応した製品です。
MagSafe自体がQiと互換性のある規格なので多少ややこしいですが雑に言えば、MagSafeの特徴でもあるマグネットで固定できるという部分のみ対応している形です。なのでMagSafeは現時点では最大15W給電が可能な規格ですが、このBelkin製モバイルバッテリーはその3分の1である5W給電しか出来ません。
説明書等の各種印刷物とUSB Type-C to USB Type-Cケーブルが付属しています。
白いガジェットが好きな人であれば共感して頂けると思いますが、白い本体に白色のケーブルが同梱してくれるのって嬉しいですよね。ホワイトがラインナップされているだけでも十分嬉しいですが、更に付属品まで気を配ってくれている製品って意外と少ないんですよね。ありがたい。
こちらがモバイルバッテリー本体。上から見ると豆腐やはんぺんのような見た目です。
型押し加工でBelkinのロゴが入っています。色が付いていないので目立たず良いですね。
iPhoneと接する面には、Magsafeの磁石の位置とBelkinのロゴがグレーで印刷されています。
サイドにはLEDがついていて充電中には点滅して充電状況が確認できたり、右端にあるボタンを押すことでバッテリー残量を確認することが出来ます。
モバイルバッテリー本体の充電はUSB Type-C端子から行います。その横にはKCマークが印刷されたシールが貼られています。USB Type-C端子は入力のみで出力は出来ません。
その他の側面にも各種認証情報だったりが印字されています。ミニマルなデザインだけに目立ってしまうのでここは残念ですね。
実際にiPhone 12 miniに取り付けて見ました。MagSafeアクセサリーは一番小さいminiサイズに合わせて作られているものも多く、このモバイルバッテリーもiPhone 12 miniと組み合わせると横幅がぴったりで見た目的にも纏まっていて良いですよね。
iPhone 12/13シリーズはポップなカラーが多いので白と合わせると可愛らしい見た目になって良いのではないでしょうか。
少し気になってしまったのがiPhone本体とモバイルバッテリーの角の角度が違う点。分かりにくいかもしれませんが、モバイルバッテリーの方がアールがやや緩やかなので少し飛び出したような形になります。普通のモバイルバッテリーのように汎用性のあるものではなく、実質的にiPhone専用に設計されているものなので出来ればここまで拘って欲しかった…。
充電速度:低速な5W出力
約1時間で10%→50%まで充電可能
インストールしているアプリや設定、バッテリーの劣化具合などよって変動すると思うのであくまで参考程度にしていただければと思いますが、一応私が普段使っているiPhone 12 miniの環境そのままで試してみた結果が以下の通りです。(ちなみに設定から確認できるバッテリーの最大容量は100%です。)
検証方法に関しては、バッテリー残量10%からスリープ状態で充電開始し、モバイルバッテリーからの給電が止まるまで10分置きにバッテリー残量を確認して記録しました。
充電時間 | バッテリー残量 | インジケーター |
---|---|---|
充電開始時点 | 10% | 4 |
10分後 | 18% | |
20分後 | 25% | |
30分後 | 32% | |
40分後 | 38% | 3 |
50分後 | 44% | 2 |
1時間後 | 52% | |
1時間10分後 | 56% | |
1時間20分後 | 60% | 1 |
1時間30分後 | 63% | |
1時間40分後 | 67% | |
1時間45分後 | 68% | 0 |
iPhone 12 miniであればバッテリー残量10%→68%まで充電可能でした。つまりバッテリー駆動時間を約60%程長くすることが可能となります。充電速度の遅さは気になるものの、容量に関してはこれだけあれば普段使いには十分かなといった感じです。
iPhone 12シリーズで最もバッテリー容量の小さいminiですら半分ちょっとまでしか充電出来ないなので、Maxと組み合わせるとあまり意味を成さないかもしれませんね。
参考までに全く同じ状態のiPhone 12 miniをApple純正のMagSafe充電器で充電した場合は以下の通りでした。(12W給電)
充電時間 | バッテリー残量 |
---|---|
充電開始時点 | 10% |
10分後 | 25% |
20分後 | 41% |
30分後 | 51% |
40分後 | 60% |
50分後 | 72% |
1時間後 | 80% |
1時間10分後 | 86% |
1時間20分後 | 91% |
1時間30分後 | 96% |
1時間38分後 | 100% |
丸みのある形状のお陰で付けた状態でも持ちやすい
iPhone 12シリーズの厚みが7.4mmなのに対して、このモバイルバッテリーは10.4mmなのでiPhone本体と比べると約3mm程分厚くなっています。厚さだけで言えばiPhoneを2台重ねて持つような形になるので、背面に取り付けた状態だと持ちにくいような気もしますが、所謂ただワイヤレス充電機能を取って付けたという訳ではなく、必要十分なバッテリー容量に抑え厚みを減らし角を取った丸みのあるデザインに加え、取り付ける事で背面に凹凸ができ指を引っ掛けられるようになるのでむしろ握りやすくなりました。
マグネットで固定されるというMagSafeの仕組みのお陰で、ポケットやサコッシュの中に入れても外れないので常時取り付けておくという使い方も良さそうです。
MagSafe非対応ケースでも一応充電可能
写真で使用しているのはMagsafe対応を謳っていない普通のシリコンケースですが一応充電することが可能でした。
ただしケースにマグネットが内蔵されていないので磁力は弱く、一応逆さにしてモバイルバッテリーだけを持っても外れはしない程度には磁力が強いようですが、横方向に力を加えると簡単にズレて外れてしまいます。
当然ながらやはりケースレスか、MagSafe対応のケースを使うのがベスト。
簡易スマホスタンドとして使える
スマホスタンドほどの安定感は無いものの、机の上で動画を見たりする分には必要十分です。
縦向きで置くことも出来るので、ビデオ通話や自撮りする際にも使えそうです。わざわざスタンドを持ち歩くのは嵩張るので面倒ですが、モバイルバッテリーをスタンド代わりに出来るのであれば便利で良いですよね。
写真撮影時のグリップとしても便利
実際に使っていて便利だと感じたのが写真を撮っている時でした。昨今のスマホカメラは手軽に綺麗な写真が撮れるので便利ですが、撮影時に持ちにくいと感じることはないでしょうか。
モバイルバッテリーの厚みのお陰で握りやすくなるので、片手でも安定して持つことが出来ます。何かと写真を取る機会が多くなるこれからの季節は今以上に活躍してくれそう。
USB-C to USB-CケーブルでiPhoneを充電出来るパススルー充電
個人的にはこれがかなり気に入っている機能で、iPhoneに取り付けた状態でモバイルバッテリーのUSB Type-C端子にケーブルを挿すとモバイルバッテリーと通さず直接iPhoneを充電出来る「パススルー充電」という機能が使えます。
これの何が良いかと言うと、充電のみですが間接的にiPhoneをUSB Type-C端子化出来る訳です。充電速度は5WなのでUSB PDに対応した電源アダプタを使用しても低速での充電になってしまうものの、持ち歩くケーブルを一本減らせるのは個人的にはかなり大きいです。
身の回りのデジタルガジェットがUSB Type-C端子搭載のモノばかりになりつつあるので、iPhoneを充電する為だけにLightningケーブルを持ち歩くのは非常に面倒なんですよね。さらに言えば今の私の環境で言えばUSB Type-C to Type-Cのケーブルを一本持っていれば殆ど全てのガジェットを充電できるようになったので非常に快適です。
Androidやイヤホン等Qi対応機器の充電にも対応
マグネットでの吸着は使えないもののワイヤレス充電の規格自体はQiなので、所謂ワイヤレス充電に対応したAndroidスマートフォンやワイヤレスイヤホンなどの充電も可能です。
上記のパススルー充電を利用して、帰宅時にモバイルバッテリーにケーブルを接続してその上にワイヤレスイヤホンを置いて充電するという運用をすれば、外出時にモバイルバッテリー・ワイヤレスイヤホン共に充電し忘れていたと言う事が無くなって良さそうです。
まとめ:miniサイズiPhoneのサブバッテリーとして使うのが正解
個人的には見た目のシンプルさやパープルとの組み合わせ、性能面等含め非常に気に入って使っているのですが、人を選ぶ製品ではあると思いますしこの製品に限らずMagSafe対応モバイルバッテリーはどの製品もあまり良い感想を聞かないようなイメージがあります。
「一日に何度もフル充電したい」「ゲームしながら充電したいから急速充電が必須」という方には正直不向きです。「30分で50%充電できる」といった急速充電に対応していない上、バッテリー容量自体も2,500mAhしかありません。それでいて価格が約4,000円なのでコスパの良いモバイルバッテリーを探している人にも合いません。
実際に使ってみて感じたのは、モバイルバッテリーというよりも脱着出来るセカンドバッテリーと思って使うのが良いと言うこと。休日に使うというよりは日常の中でサブバッテリーとして使うのに丁度良いと感じました。なので特にminiサイズのiPhoneとの親和性が高いと思います。
私の場合、日中は問題なく使えるものの夜、家に帰るまで持つかどうかという日が多く、帰りの電車に乗った時点で30%前後、家についた頃に20%前後といった所なので「あと10~20%多ければ安心」といった感じ。
そういった場面でこのBelkinのモバイルバッテリーが丁度良いんですよね。電車内で使うのでケーブルが無い方が便利ですし、SNSやメールを確認するといった使い方であれば消費電力よりも給電される電力の方が多く低速ながらも充電してくれます。
他には自宅での充電に使うのもおすすめです。自宅でコンセントから充電するとなると行動範囲が限られてしまいます。トイレや他の部屋に移動するタイミングで充電中のiPhoneを抜き差しするなんて機会も多いのではないでしょうか。
ケーブルレスで充電出来るので自宅内で使うと非常に快適です。上で紹介したように持ちやすくなったりスタンドとしても使えるので、私も家にいる時は背面に取り付けたままで使っている事が多いです。
後はパススルー充電機能を活かして、LightningケーブルではなくUSB Type-Cケーブルで充電出来るようにするアタッチメントとしても便利なので、身の回りをUSB Type-C端子搭載デバイスで固めている方には特におすすめです。
ケーブルレスで充電できミニマルなデザイン、そしてiPhone 12 mini/13 miniであればサイズもピッタリなのでおすすめのアイテムです。日常生活で「あと少しバッテリーが持ってくれれば…」と感じている方はぜひ検討してみてください。